≪1週間後≫
ニコレット1日20粒。頭がボーっとする。全身に倦怠感。ヤバいヤバいヤバい。時々軽い頭痛。これは禁断症状なのか?ニコレットは禁断症状を乗り越えるためにニコチンを含んでいるんじゃなかったっけ??
イヤしかし、月2万円分も吸っていた奴がそんなに簡単に禁断症状をクリアできるだろうか?ニコレットが美味すぎるのもヤバい。このタイミングで取材がほとんど入っておらず、家にこもって原稿書き。こういう1人の時間がもっともヤバい。人と接したり、多少気を張る状況に居ないと、自分に甘い、良からぬことばかり考える。
思いあまって、今や私の教祖となったエキセントリックDrに電話してみる。そして私は、いきなり奈落の底に突き落とされたのである。
私「あのー、先日取材させていただいた、○○○北海道版のコジマと申します。I先生はお手すきでしょうか」
担当者「申し訳ございませんが、Iは講演のため席を外しております。追加取材か何かですか?予めアポを取っていただければ、他の医師が対応させていただきますが…」
私「(違うの、取材でないの。あの人でないとダメなの)あの、I先生はいつ戻られますか?」
担当者「実は、Iが禁煙ダイヤルのカウンセリング業務に復帰する時期はまだはっきり決まっていないんです。何しろ講演スケジュールが詰っておりまして…」。ご不明な点はわたくしでよろしければ承りますが…という親切な女医さんの声が遠のいていった。
遊ばれて、捨てられた。人は笑うだろうが、心境としてはそんな感じだった。
I先生は私を禁煙道というイバラの道にいざなっておいて、急に偉くなって講演活動が忙しくなって姿を消した。この根性ナシのダメライターが、禁煙開始わずか1週間にして、イバラのトゲトゲに耐え切れず救いを求めて電話したというのに…。
次の瞬間。あろうことか私は、震える手のひらに100円玉を3枚握り締め、コンビニに走っていた。根性ナシだけれど小心者の私は、一番好きなマルボロではなく、ピアニッシモというすんごく軽いメンソールタバコを買い求めた。エキセントリックDrが、軽くしたって無意味だと言ったにも関わらず。
もういい、私を捨てたあんな男の言うことは。勝手に講演活動でもなんでもやってろ!私は震える手でピアニッシモの封を開け、コンビニの前ですぐに深々と煙を吸い込んだ。どうやら、自分で思ってた以上に重症である。

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